「二地域居住」って何?話題の理由やメリット・デメリットを解説 !

皆さんは「二地域居住」という言葉をご存じでしょうか。

普段生活している場所とは別の場所に生活拠点を構える暮らし方を「二地域居住」といいます。頻繁に行き来する人から1年のうち数ヶ月間を別の場所で暮らす人まで、一言に二地域居住といっても、その生活スタイルはさまざまです。

本記事では、二地域居住について詳しく知りたいという方のためにその魅力やメリット・デメリットについてまとめました。
今まさに「二地域居住」を考えているという方もぜひご一読ください。

二地域居住とは?

二地域居住とは、都会に住んでいながら地方の農山漁村に別宅を用意し、本来の生活拠点とは別の場所に新たな生活拠点を構える生活様式のことです。
英語で「二重の、双方の」といった意味を持つ「デュアル」という言葉をもとに「デュアルライフ」とも呼ばれています。

リモートワークが浸透してきた近年、定年退職を迎えた人や富裕層ばかりでなく、現役で働いている若い世代の人たちが週末は田舎でリラックスしたり、農業を学んだりする様子も見られるようになり、この二地域居住というライフスタイルへの注目度も増しています。
実際の生活スタイルは人によってさまざまで、1年間のうちで数カ月間継続して滞在する人もいれば、月に数回足を運ぶというスタイルを数カ月続ける人もいます。

国土交通省が行った調査「二地域居住に対する都市住民アンケート」では、日本において二地域居住を「現在行っている」と回答した人の割合は全体の2.5%に過ぎませんが、「将来行いたい」と答えた人の割合は50%を超えています。

今後ますます二地域居住への関心が高まり、実際に二地域居住を始める人も増えていくでしょう。

二地域居住に関心が集まっている理由

二地域居住が話題になっている理由として、以下のようなことが挙げられます。

  • 手軽に田舎暮らしが楽しめる
  • 働き方の多様化
  • 政府による二地域居住推進案

何より大きな理由は、手軽にスローライフを満喫できる点です。
いざ田舎暮らしをしたいと思っても、引っ越してまで実現させるのは家族や仕事のことを考えると現実的ではありません。

しかし、田舎にもう1つ生活拠点を構えることで、普段は利便性の高い都会で生活をしながら、週末や空いた時間に足を運んで手軽に田舎暮らしを楽しむことが可能です。
これらは、旅行や出張のような数日間の滞在では難しいものです。生活拠点を別に構えるからこそ、自分たちのペースで思う存分スローライフを堪能できるのです。

また新型コロナウイルスの影響で、働き方にリモートワークやワーケーションといった多様性が見られ、どこにいても同様に仕事ができるようになったのも大きな理由の1つと言えるでしょう。

最近はフレックスタイム制や短時間勤務制度の導入など、ワークライフバランスに力を入れる企業も増えてきました。

仕事だけでなくプライベートも充実させることができるよう企業がサポートし、個々の働き方にバリエーションが出たことで、二地域居住に関心を抱く人が急増しています。
さらに、地方の人口減少や空き家が増加している現状を受け、政府が二地域居住を推進していることもポイントです。

2021年3月には国土交通省が「全国二地域居住等推進協議会」を設立したことを受け、全国各地の自治体でユニークな取り組みが行われています。そのことからも、今後は国を挙げての推進活動が本格化していくことが予想されます。

またこうした二地域居住の注目度の高まりにともなって、自治体・企業による取り組みも続々と始まっています。
例として、JR西日本は、沿線自治体との共同プロジェクトとして「おためし地方暮らし」という取り組みを始めており、主に京都市・大阪市・神戸市内および京都線・神戸線の各駅に鉄道で通勤されている方(およびその家族の方々)の中で地方暮らしを体験したいという希望者を対象に、各種サポートを提供しており、二地域居住の支援を行っています。

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二地域居住のメリット

二地域居住が話題になっている理由をご紹介しましたが、それ以外にも二地域居住ならではのメリットがあります。
一体どのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

地元の方々との新たな繋がりが生まれる

二地域居住のメリットの1つが、そこで暮らす人々との新しい出逢いがあることです。
昨今は核家族化が進み、とくに都会では隣にどんな人が住んでいるのか分からないというほど人々の繋がりが希薄化しています。

しかし田舎では、そこで暮らす人々が集まって笑い、助け合って暮らしている様子に直に触れることができます。
小さな子どもがいる家庭では「地域のみんなで子どもを育てる」といった風土に魅力を感じて、二地域居住を始めたという人も少なくありません。

将来的な移住先の選定に繋がる

将来は都会を離れて暮らしたいと考えている方にとっては、移住先を選ぶ手がかりになります。

二地域居住は永住とは異なるため、その地に住宅を購入する必要はありません
興味のある場所で暮らし、合わないと思えば気軽に住む場所を変えることができるので、いくつか候補を挙げ、順番に移り住んで将来暮らす場所を選ぶという人も多くいます。

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新たな価値観が生まれる

拠点を移すことで、これまでになかった価値観を見出す人も少なくありません。
とくに都会暮らしが長い人にとって田舎での生活や人々との関わりは新鮮で、人生観が180度変わったという人もいるようです。

仕事とプライベートのメリハリがつく

平日は都会で仕事、週末は田舎でゆっくりと過ごすことで、日々の生活にメリハリが生まれたと感じる人もいます。

仕事をしている人の中には、旅行でせっかく田舎に来たのに頭の中は仕事モードという経験がある人も多いでしょう。
しかし、二地域居住にすることで「仕事は仕事、週末は田舎でしかできないことにチャレンジしよう!」と頭を切り替えることができるようになります。

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二地域居住のデメリット

先にメリットをご紹介しましたが、二地域居住をすることで生まれるデメリットもあります。
簡単に始めることが出来るというものではないため、始める前にデメリットについてもしっかり把握しておきましょう。

費用がかかる

二地域居住を考えた時、まず壁となるのが費用面です。完全に引っ越しをするわけではなくても、当然のことながら住居を借りる際は敷金や礼金、毎月の家賃や管理費が必要になります。

また、そこで数日間過ごすとなると、最低限の家具や家電を揃えなければなりません。
場所が離れていれば、毎回それだけ交通費がかかることも考慮に入れておきましょう。

移動に時間がかかる

都会から離れるほど自然豊かな田舎暮らしが叶いますが、それだけ移動に時間がかかる点に注意が必要です。

自家用車であれば長時間運転しなければなりませんし、仮に片道5時間かかるとすると、週末の1泊2日では滞在できる時間はごくわずかです。
足を運ぶ頻度や移動時間の活用法などを考慮した上で居住地を選びましょう。

公的なサービスが受けられない

基本的に、住民登録がない地域では公的なサービスが受けられません。
具体的には、図書館の利用が制限されたり、十分な医療サービスが受けられないといったことが挙げられます。

中には二地域居住者に向けた公的サービスが充実しているエリアもあるため、住居を選ぶ際に確認しておくと安心です。

防犯面に不安が残る

防犯面が心配で、二地域居住に踏み出せないという人もいます。
例えば週末を田舎で過ごすとなると、都会にある本宅がその度に留守になり、反対に平日は田舎に借りた住宅が留守の状態になります。

ホームセキュリティや防犯カメラを設置したり、貴重品はできるだけ持って移動するなどの工夫が必要です。

実りあるデュアルライフを実現

二地域居住の概要や話題になっている理由、メリット・デメリットについて解説しました。
二地域居住は都会の生活に疲れている人、田舎で子育てしたい人、将来の移住先を探したい人など多くの人から支持を集めている新しい暮らし方です。

都会ではできない体験ができ、人々の温もりを感じながらスローライフを楽しむことができる一方で、コストや移動時間の問題も無視できません。
その土地の環境や公共サービスの有無などをよく考慮したうえで居住地を選び、心から満足できるデュアルライフを始めましょう。
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