ワーケーションと地方創生の関連性と「関係人口」の重要性
人口の急減や高齢化社会の到来によって、日本国内では地方の縮小化や過疎化が課題となっています。単に人が少ないというわけではなく、地域への往来も減ってしまい、維持が困難になりつつある地域も増えてきています。
そんな中昨今では、地方の再起をかけて、従来にない働き方であり勤め人の満足度向上にも役立つ新たな働き方として「ワーケーション」が注目されています。
今回の記事では、地域の活性化から移住者や往来を増やし、人口減少に歯止めをかけつつ持続的な地域を形作る「地方創生」について、ワーケーションとの関わりを紹介します。
地方創生とは?
地方創生とは、首都圏以外の各地域が活性化すること、およびそのための試みを指す言葉です。
2014年9月に第2次改造安倍内閣の発足後に発表された施策であり、「ローカル・アベノミクス」とも呼ばれていました。
人口減によって過疎化し、将来的に消滅する可能性のある場所を盛り上げていくための試みですが、さらに具体的にいえば、人口急減や超高齢化にともなう課題に対し、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で自発的な社会づくりを行い、活性化を図る施策としています。
地方創生は、東京への一極集中による地方の力の低下と災害時のリスクを防止するうえでも重要な施策とされており、地方の力を高めることで日本全体の力を底上げし、地方の経済再生から日本全体の経済再生へ、さらに観光需要の喚起による外国人観光客の増加が期待できます。
第2次改造安倍内閣では、長期的な戦略として「まち・ひと・しごと」に分けた取り組みを進めて地方創生を実現するとして、長期ビジョンの策定をはじめ、地方自治体や企業への支援パッケージも設定しました。
個人に対しては移住やテレワークの広報やふるさと納税、地方創生のためのインターンシップなどを提供しながら、同時に企業にはテレワークや企業の地方移転などを推奨して人材の流動化を図り、それぞれの地域を盛り上げる「関係人口」の創出と拡大を目指しています。
産業や文化の創造には、その地域に定住する人だけではなく外部から人の誘致を図ることが重要とされています。一例としてUターンやIターン、住みやすい街づくりをすることでファミリー層の移住を喚起する方法が挙げられており、近年では観光・仕事・滞在を両立できるワーケーションも推奨されています。
企業それぞれがSDGsのように自社での取り組みを公表するケースはすでに一般的なものとなっていますが、さらに近年では若い世代を中心に、自分らしい働き方や生き方が追求され、給与などのステータスだけではなく、いかにして社会に貢献するかを考える人が増えてきました。
そうした時代背景に加えて、過疎化とともに「消滅集落」「無住集落」なども問題となっている昨今、地方創生も社会貢献の一環として考慮されはじめており、「地域の活性化に貢献しよう」と考える若者や働き盛り世代にワーケーションが注目されてきているのです。
地方創生とワーケーションの関連性
ワーケーションは仕事と余暇を兼ねる働き方であり、地方創生にも貢献する方法として、政府・地方自治体・企業のそれぞれが取り組みを行っています。ここでは、ワーケーションと地方創生の関連性について詳しくみていきましょう。
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ワーケーションの恩恵とは?
ワーケーションは、個人(従業員・社員)と企業、そして地方の三者にメリットをもたらします。なかでも地方にとっては、貴重な関係人口の到来と旅行需要の創出、遊休施設の活用が期待できるため、さまざまな面での活性化が期待できます。
ある地方と企業がワーケーションを実施した場合、企業の従業員が継続的、または交代で都市部と地方とを往来します。その際に交通・宿泊・観光・飲食・アクティビティのいずれについても需要が増え、地方に活気がもたらされます。
往来した人はすべて「関係人口」となり、将来にわたって地方との交流や往来を続けたり、訪れた地方の良さを口コミなどで発信したりと、地方にとって理想的な可能性を持っています。
また関係人口が増えることで地域が活性化されるため、人口減少・過疎化の予防はもちろん、常に人がいる状態で見た目にも活気が生まれます。賑わいのある場所には新たな観光需要や雇用が生まれるため、持続的で自律的な地方への足がかりとなるでしょう。
さらに、ワーケーションを通じて企業との繋がりが生まれ、新たな事業の創出や課題の発見、企業が主導して行う取り組みにも活路が見いだせるようになります。
ワーケーションを福利厚生として実施する企業が、特定の街や村とタッグを組んで地方活性化に取り組んだり、新たなビジネスを盛り上げたりするケースは、ワーケーションならではの恩恵といえます。
ワーケーションに取り組む人は皆新鮮な気持ちで、アイディアを出しながら地域との関わりを深めます。地元の人々にとってはおなじみの光景でも、都会の人にとってはまた違った新鮮さが感じられ、地方にはない視点で魅力を発掘、活性化に取り組んでもらえる可能性もあります。
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関係人口とは?
ワーケーションを行う人々は「関係人口」として、地域の活性化に関わっていきます。そもそも関係人口とはその地域に何らかの関わりをもつ人すべてを指す言葉であり、定住者や観光客とは異なる立ち位置の人々です。
定住者は文字通りその地域に住み続けている地域の人々で、観光客は観光をメインの目的として来訪する人のことです。関係人口はその地域と別の場所で二拠点(多拠点)生活をする人、さらにいえばその地域にルーツ・関わり・愛着などを持った人が該当します。
地域に憧れがあり既に移住を完了した人は関係人口ではなくなり、「定住者」として「定住人口」のカテゴリーに含まれます。関係人口とは「その地域に定住や永住をしていないが、往来や滞在を行うなどして何らかのルーツ・関わり・愛着がある」人であり、ワーケーション中の従業員が該当します。
ワーケーションと関係人口の創出、関わりはすでに2015年からスタートしていて、政府は地方創生のために「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を期間限定で打ち出し、そのなかで地域おこし協力隊制度の拡充や首都機能の移転を試み、地方に対しては農山漁村の体験プランや産業創生交付金を助成してきました。
この試みのなかで首都機能の移転を行い、実際に文化庁の移転の前段階として地域文化創生本部を京都に設置しました。この例に前後し、サテライトオフィスの設置や外部のコワーキングオフィスを利用したワーケーションへの注目度も高まっています。
テレワークの普及により、今後もさらにワーケーションへの実需は増加していくことが予想されます。
関係人口が増えるほど地方と都会との往来が増え、二拠点や多拠点での生活スタイルも定着していくため、地域へ来訪する人・人の流れを増やすことは今後も継続的に実施したい施策といえます。
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ワーケーションを実際に体験
今回は、ワーケーションによって地方創生が期待できることについて詳しく紹介しました。地方創生のポイントである「関係人口」が増えれば、地域の活性化につながり、結果として地方創生へとつなげていくことができます。
石川県能登地域では、個人・企業向けにワーケーションの体験プランやワーケーション施設を用意しています。ワーケーションを検討している方は、お試しにワーケーションプランを活用してみてはいかがでしょうか。
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