ワーケーションの意義と国内企業の成功事例をチェック

ワーケーションは、オフィスなどの職場で働く従来の働き方から一歩進んで、職場から遠く離れたリゾート地などで自分らしく働ける方法として注目されている方法です。

対象地域は決まっておらず、ワーケーションを受け入れている地域であれば日本全国どこからでもテレワークというかたちでワーケーションができます。
今回の記事では、ワーケーションの実例を取り上げながら、実際の企業が行っているさまざまなワーケーションの取り組みを紹介します。

ワーケーションについて

ワーケーションとは、オフィスから離れたリゾート地や観光地などの場所で、余暇と仕事を両立する新しい働き方のことです。
ワーク(仕事)とバケーション(余暇)を組み合わせた造語で、仕事と同時に休暇やアクティビティも楽しめる新たな働き方として注目されています。

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企業にとっては従業員の仕事への意識向上ややりがいの高まりに、ワーケーションを受け入れる地方自治体にとっては来訪者の増加とともに地方の新たな魅力やワーケーションにふさわしい場所としての認知度の向上、雇用創出や過疎化の防止などに役立つと期待されています。
くわえて近年では地方自治体と企業とのコラボレーションや、ワーケーションに役立つ設備や施設を導入する動きも出てきました。

ワーケーションはさまざまな企業が取り入れており、ワーケーションへのハードルが高い場合は社員旅行を兼ねて、またはワーケーションの体験会というかたちで地方へ赴き、余暇とともに仕事を楽しむ取り組みを行っているケースもみられます。

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企業によるワーケーション導入事例

テレワーク需要の高まりを受けて、大手企業もワーケーションへの取り組みを行っています。なかには福利厚生としてワーケーションを提供している企業もあります。
ここからは実際の導入事例をみていきましょう。

日本マイクロソフト株式会社

日本マイクロソフト株式会社では、ワーケーションに関する決まった制度はありません。テレワークを可能にする在宅勤務制度もなく、個々の社員が自宅・会社・第3の場所をそれぞれひとつのルールの中に収め、働く場所にとらわれずに働けるように制度設計を行っています。
社員に対しては「いろいろな場所で働きながら、人との出会いやコラボレーションも楽しむことが大切」としています。

ユニリーバジャパン株式会社

ユニリーバジャパン株式会社は、2016年から勤務場所・時間を自由に選べる「WAA(ワー)」という制度を導入しました。Work from Anywhere and Anytimeの略語で、上司への申請と業務に支障がない場合について、会社以外の場所で平日5時から22時のあいだで自由に仕事ができるようになっています。
その結果として、社員へのアンケートでも、ストレスの軽減や仕事への意欲が増したという結果が得られました。

株式会社野村総合研究所

株式会社野村総合研究所では、2017年からワーケーションへの取り組みを行っています。平日は通常業務として徳島県三好市の古民家で仕事をこなし、週末に休暇をとるスタイルで1ヶ月間を2週間ずつに区切ったキャンプを年に3回実施しています。
また2020年からは三好市とのコラボレーションにより、地域課題に取り組み人材教育を行う新たなビジネスが進められています。

日本航空株式会社

日本航空株式会社(JAL)では、2017年から休暇中のテレワークが可能になりました。これにより長期休暇が取得しやすくなり、復帰後の業務量増加による負担も軽減できるとしています。
社員がワーケーションに踏み出しやすいように、トライアルツアーを組んでの体験ツアーも積極的に開催しており、北海道・宮城県・徳島県・富山県など日本全国で合宿型ワーケーションを実施しています。

株式会社三菱UFJ銀行

ワーキンググループなどから寄せられた意見をもとに、株式会社三菱UFJ銀行ではフレックスタイムや朝方勤務など多様な働き方を推進してきました。
そのなかの一つであるワーケーションについては2019年から導入され、軽井沢のワーケーションオフィスをはじめとする国内のリゾート地を中心に、従業員の柔軟な働き方に取り組んでいます。

株式会社セールスフォースドットコム

クラウドアプリケーションやプラットフォームの提供を行っている株式会社セールスフォース・ドットコムでは、2015年から総務省の地域実証事業に参画しており、和歌山県西牟婁郡白浜町(南紀白浜)にサテライトオフィスを設置し、地域への社会貢献活動も実施しています。
ワークライフバランスの成功例を「ワークライフインテグレーション」と称し、社員と会社の信頼関係を構築しています。

株式会社LIFULL

不動産情報サービス事業を手掛けている株式会社LIFULLでは、多拠点コワーキング施設を日本全国に40拠点以上展開。場所に縛られない働き方「LivingAnywhere」を提案し、ウィズ・コロナの時代も見据えながら、第三の働き方を提唱し続けています。
拠点は100ヶ所程度まで増やす計画として、地域の人々との交流も重視しています。

サイボウズ株式会社

グループウェアの開発から運用までを提供するサイボウズ株式会社では、時間・場所についてフレキシブルに選べる体制を整えています。東日本大震災を契機にテレワークが徐々に普及し、柔軟な働き方が社内全体に浸透していき、有事の際のバックアッププランとしてもリモートワークが有効と考え、自由な働き方が構築しやすくなっています。

株式会社日本能率協会マネジメントセンター

「能率手帳」の販売や人材育成支援事業を行う株式会社日本能率協会マネジメントセンターでは、企業と地域を繋ぐ「ラーニングワーケーション」を提唱し、実施を続けています。
2018年に和歌山県からスタートし、それぞれの地方自治体や地域の課題に向き合いながら、都市部と各地域を往来する越境学習などに取り組んでいます。

ランサーズ株式会社

フリーランス用のプラットフォームを提供しているランサーズ株式会社では、働く場所に特に制限を設けず、一定のルールのもとでワーケーションが可能な体制を整えています。

2019年には希望する地域の仕事と繋がり、ワーケーションを可能にするプラットフォームの提供を開始しており、世界を旅行しながら働く社員も在籍するなど、「社外で新しいアイディアを得て働く」ことを重視しています

株式会社内田洋行

オフィス関連、公共関連事業などを手掛ける株式会社内田洋行では、地方創生への取り組みを5年以上にわたって続けてきました。
ワーケーション施設をつくるプランも持ち上がり、宮城県丸森町でワーケーションの実証実験を実施した結果、社員同士のコミュニケーションが増え、チームビルディングに一定の効果が期待できる結果となりました。

能登では企業向けのワーケーションプランをご用意

今回は、ワーケーションの概要と企業ごとの導入事例を紹介しました。いきなりワーケーションを始めるのではなく、体験型ツアーとして導入に移行する方法もみられましたが、自由な働き方への選択肢が従来よりも増えていることがわかりました。

石川県能登地域では、ワーケーションの導入を考えている企業向けのプランをご用意していますので、記事で紹介した企業のように、導入の前段階としてぜひご活用ください。