地方移住に欠かせない仕事の探し方とは?年代別の注意点も解説

「地方は都会に比べて人口と産業が少なく、選べる仕事の種類が限られている」というイメージはすでに一般的なものとなっています。IターンやUターンにあこがれていても、思うような仕事が得られないケースを考慮して、移住やIUターンに踏み出せない方もいるかもしれません。

実際、地方では企業の誘致やベンチャービジネスが盛り上がっているケースも多く、都会にはない仕事上のやりがいやメリットもあります。今回の記事では、地方でお仕事を探すうえで、押さえておきたいポイント・仕事の探し方・注意点について詳しく解説していきます。

地方でのお仕事探しについて

地方での職探しは、後継者・人手不足の問題や求人の出し方、選択肢が意外に多い点について把握しておくことが大切です。地方で仕事を探す際に重要なポイントをみていきましょう。

後継者不足

地方では、農業や漁業をはじめ個人経営の企業や店舗、中小企業に至るまで、後継者不足に陥っている事業が多くみられます。
近年では都市部への人口流出や少子高齢化の影響を受け、事業の承継が立ち行かずに廃業や事業を譲渡せざるを得なくなるほか、事業主が高齢またはインターネットでの周知に詳しくないために、求人募集がうまくいかず、人が集まらない問題もあります。

収入が減る可能性がある

地方の給与は依然として安く、都会並みの水準に届いているところはそう多くはありません。収入が一時的にでも減る可能性を考えて職探しをする必要があります。

Webで情報が拾えないケースがある

地方の仕事は、第一次産業から第五次産業まで幅広く募集されています。しかしすべての仕事がWeb上で募集されているわけではなく、地元の広報誌や店舗内のように、ローカルで求人が出されるケースが一般的です。

実はキャリアの選択肢は多い

地方は少子高齢化、人口流出による人手不足が慢性化しているところも多く、新たに職を求めてやってくる人材は重宝される傾向にあります。職探しではなく新たに起業する場合は、地方自治体や政府からの補助金・支援金を受けられる可能性があり、サポートが充実しています。

移住先における仕事の探し方

移住先で仕事を探すときは、地域の情報誌や口コミなどアナログな手段以外にもいくつかの方法を組み合わせると良いでしょう。

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転職エージェントを活用する

転職エージェントは、転職を希望する人と企業とをマッチングしてくれるコーディネーターです。ノウハウや実績が豊富な会社、日本全国の求人に対応しているエージェントをはじめ、信頼のできる人材会社をあたってみてください。

地方自治体に問い合わせる

Webから求人を探すときは、移住を検討している地方自治体の公式サイトをチェックしましょう。
「産業」「しごと」「労働」の項目をサイト内から探し、仕事応援フェアや移住支援事業、その他求人募集が出ていないか確認します。不明点や仕事の詳細については、地方自治体に直接問い合わせてみましょう。

テレワーク・リモートワークを活用する

仕事を辞めずにテレワークやリモートワークに切り替えることができれば、住まいは自由に選べます。職場や上司と話し合いを行い、在宅またはワーケーションに対応可能かどうかを確認しましょう。

・関連記事>>>テレワークに伴う地方移住のメリット・デメリットとは?

個人事業主として働く

新たにビジネスを興せる人や、持ち前のスキルで仕事を続けられる場合は個人事業主としての働き方も選べます。個人事業主もリモートワークやテレワークと同様に、在宅でオフィスを持たずに働くことができます。

移住後の仕事で多いパターン

移住を検討し、実際に地方へ移り住んだ人はどのような職業に就いているのでしょうか。
ここでは、主な就業パターンについて紹介します。

  • 農業
  • 漁業
  • 林業
  • IT(テレワーク)
  • フリーランス起業
  • 自営業
  • 医療関係
  • 地域おこし協力隊

農業・漁業・林業は地方の主力産業であり、年代を問わずスキルが活かせる仕事です。日本全体を支えている重要な仕事でもあり、名産の青果物や魚介類を都市部に販売することも可能で、自然に直接触れて刺激がある、長く続けるほどスキルが身についていくなどのメリットもあり、移住後の仕事として選ばれやすい職種です。

IT系の仕事は開発・広報・サポート・運用などWebを支える重要な業務であり、職場の了解が取れれば在宅勤務やワーケーションが可能です。持ち前のスキルを活かして自営業として勤めている方も多く、副業や複業にも適しています。
他にも、医療関係の職種は看護師・医師・療法士・技師・栄養士など役割もさまざまで日本全国で働き口を探すことができます。

地域おこし協力隊は、移住者やIUターンを目指す若者も対象にした取り組みであり、隊員に任命されると給与が支払われます。近年では地域おこし協力隊のほかに集落支援員や復興支援員、地域力創造アドバイザーなどさまざまな職種が登場しています。

実際、石川県羽咋市では就農支援や移住を体験してみたい方のために「羽咋市農業体験プログラム」の提供を開始しました。羽咋市農業体験プログラムでは、最大5日間施設を無料で利用しながら、農業体験プログラムが受講できます。住宅の利用は必須ではなく、農業体験のみの受講も可能となっており、格安で羽咋市との繋がりが持てる試みとなっています。

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年代別の仕事探しにおける注意点

ここからは、仕事を探す際の注意点について年代ごとに詳しく紹介します。

20代

将来の可能性が多い20代は、比較的自由に仕事を探すことができます。日本全国、さまざまな地域から自分に合う場所や仕事を探すことができます。しかし、30代から40代へと年を重ねていくことも考え、給与待遇や仕事内容、雇用形態にも目を向けながら仕事を選びましょう。

30代

30代からの仕事探しは、ライフスタイルやライフステージを考慮する必要があります。キャリアの転換を図るのか、あるいは持ち前のスキルを使って事業や副業(複業)とするのかなど、方向性に見合った仕事探しが重要です。

40代

40代は働き盛りの年齢であり、役職や重要なポジションを任されやすい年代でもあります。持ち前のスキルを手放すのに抵抗があり、なかなか仕事探しに踏み切れない場合は、転職エージェントや転職アドバイザーを活用するか、サポートをしてくれる人を介して情報を集めていくと良いでしょう。

50代

50代の仕事探しも、基本的に40代と同じでサポーターの存在があると安心です。
ただし、扶養家族や同居家族が複数いる方は、転職や仕事探しに時間をかけられない可能性もあるので、自身のスキルを活かせる仕事をスムーズに見つけられるように、早い段階から準備を行うことが大切です。

詳しくは自治体に相談

今回は、地方でのお仕事探しについて、押さえておきたいポイントや注意点を中心に紹介しました。
特定の事業や産業の担い手、後継者を探しているところもあれば、町おこし・村おこしの人材から募集している地域もあるため、地域それぞれのニーズを踏まえた仕事探しをおすすめします。

石川県能登町では移住や職探しについて、体験プログラムや交流会を定期的に開催しています。不安なことや不明点は地域の担当者やコーディネーターにぜひご相談ください。