羽咋市の魅力に惹かれ、移住して夢を実現

能登へ実際に移住した方に、インタビューをいたしました。

プロフィール

武藤 一樹 さん

(むとう いちじゅ)
1976年生まれ、岐阜県出身
自家焙煎珈琲店 神音(菅池町)経営
facebook.com/ichijumuto
農産物直売所“神子の里”(神子原町)代表
facebook.com/mikonosato

移住して夢を実現

家族で移住を決め、自家焙煎珈琲店を営みながら、現在は農産物直売所“神子の里”(神子原町)の代表も務めている武藤さん。
金沢美術工芸大学を卒業後、自分の珈琲店をオープンするため、東京や金沢でコーヒーや接客、経営に関する幅広い知識を学びました。

そんな折、約70年前に菅池町に建てられ、3年ほど空き家になっていた古民家と巡り合い、移住後、夢だった珈琲店の営業をスタート。
珈琲店は“自然と隣り合わせた神々の音が聞こえる場所”という意味を込めて“神音”と名付け、自家製野菜と、自家焙煎のおいしいコーヒーでおもてなし。ランチタイムのオリジナルカレーと温かい接客が大変好評です。

武藤さんが住む神子原地区は羽咋市の中でも特に高齢化、人口減少が進んでいる地域です。
農産物直売所“神子の里”は平成19年、同地区にオープンし、地元の特産品などを販売する地域の重要な拠点施設となっています。武藤さんは平成30年から、その“神子の里”の代表取締役社長にも就任しました。

令和元年には、新たに神子原米を使った純米大吟醸“神子”の酒造りにトライ。クラウドファンディングにも挑戦し、新商品の企画や、販売に向けて奔走しました。武藤さんは神子原米ブランドを生かしたお酒づくりをすることによって、会社の発展だけでなく、高齢化、農業の担い手不足によって消滅の危機にある神子原の棚田を守り、地域の景観・文化・人々の生活を守ることにつなげることを目標としています。

自家焙煎珈琲店 神音
商品の説明をする武藤さん
農産物直売所「神子の里」

羽咋の魅力は自然と人

羽咋に移住して13年が経過した武藤さん。
「羽咋市の魅力は立地の良さです。奥能登、金沢、富山県の氷見市、高岡市などから距離が近いことはとても魅力的です。
遊びに行くときや仕事の際に、アクセスが良く非常に便利です。
また、羽咋には千里浜の海や世界農業遺産である神子原の山岳風景などの雄大な自然があるため、身近に自然を感じながら生活することができます。商売をするにはベストな環境だと感じています」。

今では地域の方と親子のような関係を築いている武藤さんですが、はじめは戸惑いもあったそうです。
「移住してから一年目は、地域の方たちに助けていただくことがあまりにも多く、地域の方の優しさに対して何も返せないことに申し訳ない気持ちがありました。
しかし、まず、『自分の生活を安定させること、恩は返せるときに返せばいい』という言葉をいただいてからは少しリラックスして向き合えるようになりました。

これからも地域の方への感謝の気持ちを忘れず、恩返しをしていきたいと思っています」。

地域のことを楽しく話す武藤さん

移住を考えている方へのメッセージ

「郷に入りては郷に従え」の気持ち、そして、感謝の気持ちを忘れないことが大事です。

地域に馴染むには、地域の方と積極的にコミュニケーションをとることが非常に重要になります。
地域の方に素直に助けてもらう、知らないことは何でも聞く、謙虚でいることは地域のコミュニティと親密な関係を築くために必要なことだと思います。
また、何よりも楽しんで生活することが必要だと感じています。
経済的な面では、長期的な視点で計画性をもって市の補助制度なども活用し、無理なく住むことができるかも確認しておくべきだと思います。